Resized to 60% of original (view original)
Artist's commentary
這わした手
試合は一方的なものになっていた。
環が延々と攻撃を繰り返し、空がそれを全て受けては流す。
何度もそんなやり取り続き、環の動きに生彩が欠いて来た頃、空が突然口を開いた。
「良く分かった。ありがとう」
空は言うと同時に、脇差の柄頭で環の腹を打った。
環は一瞬息が詰まり、尻餅をつく形でその場に倒れ込んだ。
何度か咳込み、息を整えた時には、目の前に空の姿があった。
空は環の前で膝をつくと、目線を同じ高さにして、じっと環の瞳を覗き込む。
「ごめんね、環。これは勝負だから……」
言うと、空は環のシャツの中にゆっくりと手を滑らせた。
【宣伝】Entyにて一般公開致しました(`・w・´*
https://enty.jp/akemiho