Resized to 64% of original (view original)
Artist's commentary
The Workaholic Committee Chairman
パシャカシャリ
引き戸の向こう、閑散とした放課後の教室で、スマホのシャッター音が響く。
ほぼ肌色のその人影は、机の上で見事なポーズで自撮りを決めていた。
ギギギと振り返った顔は、下着姿の学級委員兼風紀委員長殿だ。
数拍後、状況把握を終えた彼女の顔は、夕焼けに負けじと真っ赤に染まっていく。
「ちっ、違うのよこれは違っ、っひゃあっ!?」
ガタガタンッ!
動揺でバランスを崩し、たたらを踏んだ彼女は机から足を踏み外すが
運良く落下点にあった椅子に、派手な音を立てて着地すると、そのまましゃがみ込んだ。
こちらがTPOにあった台詞を探し出すより早く、委員長はまくしたてる。
「いやっ そのっ これは風紀取り締まり業務の一環で…
そ、そうっプロファイリングの一種よ!
身をもって不埒な行為を体験することで、えーっと、より違反者の心理を把握し――
――へぇー よくわからないけどいいんちょは仕事熱心だなあ。
長くなりそうないい訳を遮り、足らずを装った台詞を吐いてやると、彼女はいくらか余裕を取り戻したようだ。
下着姿のまま、巨大な尻をこちらに向けたまま、いつもの高圧な口調で唾を飛ばしてくる。
「それより中間テストも近いのだから早く帰って勉強なさい!」
――その為の教科書を取りに来たんだよ。委員長が足場にしてくれたその机にね。
背中で慌ただしい衣擦れの音を聞きながら、再び引き戸を潜る。
スマホ画面の「クラウドに写真を送信中」進捗バーを眺めながら教室を後にした。
もしゃ