Artist's commentary
バレンタインナルルカ
「これ…お、お前にやる…です」
そういうと、少女はそっと丁寧に包装された箱を差し出した。
「なるには、あまり似合わないです」
おそらくドレスの事を言っているのだろう。恥じ入るようにくねらせた肢体に、なるほど確かに普段とは違う感情がくすぐられる、と納得する。
とても似合ってると彼女に伝えると、目を伏せ体を隠すようにそっぽを向いてしまう。
こちらに向けられたお尻から垂れる尻尾が小さく揺れる様を見て、喜んで貰えただろうと安堵した。
「"ちょこれーと"みたいなドレスだと言われたです」
こぼれる様な言葉と共に、彼女は再び、ゆっくりとこちらに体を向けた。
「今日は"ちょこれーと"を食べてもらう日とも聞いたです」
小さな手はドレスの結び目に伸びおっといけねえ、キーボードが壊れちまった