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Artist's commentary
ツェッペとお出かけ
日々忙しい艦娘たちにも休暇はある。ちょっとお堅い私服に身を包み(制服姿をあまり見ない?あんな面倒なデザインの服ホイホイかけるか)グラーフ・ツェッペリンは街へと繰り出す。
今日は三越でショッピングだ。特に欲しいというものも無いのだが、大切な人と一緒に過ごせるのならばなんだってかまわないのだ。
電車を乗り継ぎ、都市部の駅前に出る。
「別に車で行ってもよかったんじゃないか?というか待ち合わせも鎮守府でいいんじゃ…」
と彼は言ったのだが、たまには雰囲気のあるデートにするためにまどろっこしいことをするのも乙なものだぞ、説き伏せた。
改札を抜け、駅前の広場に出ると、目当ての人物はすぐに見つかった。
「遅くなってすまない、待たせてしまったな、兄さん」
「ん?ああ、ツェッペ。大丈夫、俺も今来たところだから」
嘘である。一時間ほど前に彼が鎮守府を出ていたのを目撃していた。
その後焦って準備をしたものだ。
待たせてしまったお詫びにと言わんばかりにすっと彼我の距離を詰め、彼の腕をとって自分の身体に密着させる。当てているのがどこかは語るまでもない。
「早速行こうか、兄さん」
「ちょ、ツェッペ!当たってる!!」
いつも触っているというのにいまさら何を戸惑っているのか、まあわからないでもないが敢えて無視する。
周囲の視線が突き刺さるが、そんなことは気にしない。逆に見せつけてやればいい、自分が誰の女で、この男が誰のものなのか。
そうして、長いようで短い一日が始まった。